日仏の映画授業、しつこいようだけど今学期の題材は『しあわせの雨傘』。
いやはや!!
さすがオゾン様。奥が深い。
まだ3回しか受講していないのですが、復習も兼ねてちょっとずつ記事にしてみます。
Générique début(オープニング)
早朝、赤ジャージで森の中をジョギングするシュザンヌ(カトリーヌ・ドヌーヴ)。
Librement adapté de la pièce de
Barillet & Grédy
Barillet & Grédy(Pierre Barillet & Jean Pierre Grédy)は劇作家。
大衆喜劇『Potiche』が本作の元ネタ。
ふと森の動物たちを見つめるシュザンヌ。
カルネを取り出し、趣味の詩を書きます。
Mon ami écureuil était là ce matin.
Il m’a fait un clin d’œil.
Je lui dit “à demain !”
なんてことないこの詩、「écureuil」と「clin d’œil」、「matin」と「demain」
で、ちゃんと押韻してるんですねー。
Suzanne la potiche (お飾り壺・シュザンヌ)
プチデジュネ。
FIGAROを読むロベール(ファブリス・ルキーニ)。
「これで右翼だと言うことがわかるね」と先生。
ひー!
そうですね、大きく表示される新聞には留意しないと。
家事をするな、Badaboum(ディスコ)にも行くな、とロベールに言われたシュザンヌは
C’est pas ma place à la cuisine, c’est pas ma place au Badaboum : elle est où, ma place?
「この台詞が、本作の大きな主題になっているんだよ」
何度か観たけど、さりげなくスルーしてた。
ようやくこの台詞の重要性に気づくのです。
(だってこの二人、めっちゃ早口なんだもの)
で、Michèle Torrの『Emmène-moi danser ce soir』への流れ。
少女のように歌い踊るドヌーヴ様のかわいいこと!
~キリがなさそうなので中略~
Pujol ras le bol (うぬぼれプジョル)
ヒットラーと例えられ、独裁政権的なロベールの経営手法に抗議する工場員たち。
ロベールは監禁される。
息子のロラン(ジェレミー・レニエ)はナルシストなので「父の身代わりになる」と工場に向かうが、ボロボロになって帰ってくる。
Les ouvriers m’ont permis de voir papa.
J’ai essayé de le raisonner, de lui dire qu’il falait qu’il accepte de faire des concessions.
C’est là que papa m’a sauté dessus, en hurlant : “casse-toi, pauvre con!”
フランスで観たときに、ここで会場中大爆笑だったんだけど
何がそこまで愉快なのか理解できなかった。
「これは元ネタの劇ではない台詞。さて、だれの台詞をもじったでしょうか?」と先生。
“casse-toi, pauvre con!”って、サルコジの台詞!
解説してもらわなきゃ絶対気づかなかった、オゾンの脚色の素晴らしさ。
Visite chez Babin (ババン家へ)
Fiatに乗ってババン(ジェラール・ドパルドュー)に交渉しに行くシュザンヌ。
ババンはプジョル家の大豪邸と違い、庶民的な集合住宅に住む。
(このコントラストも注目して!といわれた)
車をおり、変装してババンのアパルトマンに向かうドヌーヴ様。
「これはだいぶヒッチコックを意識してるねー」と。 ほう。
ババン氏が映し出されると、「大きい…」と隣席のマダムがつぶやいた。
いや、ホント大きいねえ。
シュザンヌを椅子に座らせるときに
Là, à ma gauche, ou ma droite.
って言うんだけど、こんなところにも政治的意味(左翼、右翼)を含んでいるんだとさ。
と、あまりにも詳しい解説で観ると全然理解度が違うのでした。
3回授業を終え、フィルムはまだ20分しか進んでない…
これからあと7回、どれだけ深く学べるのかしらー
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